はじめに

北海道といえば、おいしいグルメ、壮大な自然、どこまでも続くまっすぐな道、色とりどりの花々、たくさんの温泉…何日あっても足りないくらい見どころたっぷりの魅力的な旅行先です。過ごしやすい気候で、夏を満喫できます。

私はこの夏、夫と一緒にポルシェGT3RSで北海道一周ドライブ旅行に挑戦しました。

この記事では、北海道一周をGT3RSで巡ることにした理由、GT3RSで旅行する上で困ったことや気を付けたこと、よかったこと、北海道一周ルートの概況を紹介しています。

これから北海道ドライブ旅行を計画する方や、スポーツカーで旅行したいけど不安…という方に読んでいただけたら嬉しいです。

ラベンダー

旅行の準備

交通手段の検討

「飛行機で行ってレンタカー」or「フェリーで自分の車」

旅行を計画するにあたり、最も悩んだ問題は「どうやって北海道へ行くか」です。

一般的には、「飛行機で北海道へ行き、現地でレンタカーを利用する方法」「自分の車をフェリーにのせて行く方法」があります。どちらの方法にもメリット、デメリットがあり、旅行のスタイルや目的によってどちらにするべきかは異なると思います。

「飛行機とレンタカー」コースは、時間を効率的に使いたい人にとっては魅力的な選択肢です。万が一、車のトラブルが発生しても安心ですし、乗ったことのない車を運転できる楽しみもあります。

一方で「自分の車でフェリー」コースは、荷物の量を気にすることなく、普段使い慣れた車でゆったりとした旅を楽しむことができます。おみやげもたくさん持って帰ることができます。

どちらの方法も試算してみましたが、必要金額や自由に行動できる時間はそれほど変わりませんでした。あくまでも私が予約しようとした時点での結果です。予約する時期や、空き状況によっては大幅に変わりますので、必ず試算してくださいね。

さんざん悩んだ結果、荷物の持ち運びが楽なこと、何より「ポルシェで北海道を走りたい」ことが決め手となり、今回はフェリーを利用して車と一緒に北海道へ行くことにしました。

フェリーの詳細については、こちらの記事をご覧ください。

新日本海フェリー乗船記:車と一緒に海を渡って旅しよう!

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ポルシェGT3RSを選んだ理由

今まで旅行といえばポルシェ911カレラ4S(996型)を使っていたのですが、今回は旅行に乗る車として初めて911GT3RSを選びました。

車高は低く、2シーター、フルバケットシートでリクライニングもできないスポーツカーです。

どう考えても旅行には向いていないGT3RSをなぜ選んだのか。

もちろん「GT3RSで北海道を走ってみたいから」という理由もありますが、重大な理由が他にありました。

万が一車が故障して動けなくなった場合、レッカー車で修理工場まで運んでもらうことになります。そんなときでも、GT3RSに掛けている保険のロードサービスなら関西まで運んで帰ってこられるだろうと考えたからです。GT3RSに掛けている保険のロードサービスの場合、車両代金の10%までの金額を出してもらえます。

以前カレラ4Sで旅行していたときに、オルタネーターの故障で動けなくなり、富山県からレッカーで運んでもらったことがありました。ちなみに富山県から滋賀県までレッカーで運んでもらった代金は約18万円でしたが、ロードサービスの保証範囲内だったので大変助かりました。

興味のある方はこちらをご覧ください。

まさかの旅先で…996のオルタネーターが故障した!

はじめに 四駆の911カレラ4S(996)は、安定感が抜群なので、どんな天候でもどんな道でも安心です。そして、ずっと座っていても全然疲れないので、長距離のドライブ旅行は…

万が一のことも考えておかないと、後で涙を見ることになります。

北海道から関西までの距離や運搬方法を考えると、おそらくカレラ4Sの保険では賄いきれません。

そのような理由もあって、今回はGT3RSで北海道旅行をすることにしました。

GT3RSで行く宿泊場所の条件

全幅の広いGT3RSだとコインパーキングは厳しいことがあります。立体駐車場も無理です。

いつもは旅行しながら空いている宿を探すスタイルなのですが、駐車場探しには苦労しそうなので、あらかじめ全日程の宿を予約して行くことにしました。

さすがにフルバケットシートで車中泊は厳しいですよね…

11日間 × 2人分の荷物はGT3RSに積み込めるのか?

出発するまで最も不安だったのは、荷物を全て積めるかどうかです。

シートの後部にはロールケージがあるので、車内には細々したものしか積めません。

しかし、GT3RSのフロントのトランクは容量が145Lもあり、意外と大きいのです。スーツケースは諦めることになりましたが、ほとんどの荷物はこちらに入りました。かさばる冬服だったら厳しかったかもしれませんね。

夏場は特にトランクの中は高温になるので、食品などは入れない方がよさそうです。

GT3RS フロントトランク

夏の北海道一周を成功させるルート作りの5つのポイント

行き当たりばったりでまわるのも楽しいかもしれませんが、見どころ満載の北海道をもれなく楽しむためにおおよそのルートを考えておくことをおすすめします。

「せっかく行ったのに営業していない!」「目当ての花が咲いていない!」「ホテルがない!」「時間が足りなくて全部まわれない!」

そのようなトラブルにできるだけ遭わないように、私たちがルートを作る上で重視した5つのポイントを紹介します。

  • 大混雑必至のスポットへ立ち寄る日:夏休みシーズンはそもそも混雑しますが、週末やお盆などはよりいっそう混雑します。人気の観光スポットや絶対に混雑する場所を訪れる日は、できるだけ避けます。
  • 行きたいお店、観光スポットの営業日・時間:定休日や営業時間を確認して、訪れる日時に営業しているかを確認しておきます。都心部から離れると、早い時間にお店が閉まることもあるので注意が必要です。
  • 宿泊場所の空き状況:特に注意すべきは、稚内や猿払町あたりは宿泊場所が極めて少ないので、このあたりで夜を迎えることになると宿泊場所を押さえるのが大変です。週末に差し掛かると、何週間も先でも全く空いていませんでした。
  • 開花状況:北海道といえば、富良野のラベンダーや北竜町のひまわり畑が有名です。数日ずれるだけで、開花状況に差が出ます。せっかくならば、満開の時期に訪れられるように調整すると良いです。
  • ゆとりのあるスケジュール:移動に多くの時間を使うので、渋滞が発生するとスケジュールが狂ってきます。また、休憩時間もしっかり確保できるように余裕を持たせておくと良いです。

夏の北海道ドライブの魅力

夏の北海道ドライブは魅力たっぷりです。

  • 開放感あふれる道路:北海道の道路は広く、車の通行も少ない場所が多いので、開放感あふれるドライブが楽しめます。私も北海道の広い道なら…とGT3RSの運転を楽しむことができました。
  • 車窓から楽しめる絶景:青々とした草原、美しい花畑、壮大な山々、どこまでも続く海岸線を眺めながらのドライブ…最高です。
  • 寄って楽しい、食べて美味しい道の駅:北海道の道の駅は、全部で129箇所あります(2023年8月現在)。そこでしか体験できないもの、そこでしか味わうことのできないグルメを楽しめます。お手洗いも清潔ですし、ちょっとした休憩に寄ってみると楽しいと思います。
GT3RS車内からの夕陽

夏の北海道ドライブで気を付けること

夏の北海道一周ドライブでは、楽しい反面、気をつけないといけないこともありますので紹介します。

  • 移動距離:北海道は想像している以上に広く、一周するには相当な距離を走らなければなりません。計画的なルート作りと休憩が必要です。
  • 天気の変動:北海道といえども地域によって気温は大きく異なります。熱中症になりそうなくらい気温が上がる地域もあれば、長袖でも寒い地域もあります。また、山間部では天候が急変することもあるため、適切な準備と注意が必要です。せっかくの旅行中に体調を崩さないように注意しましょう。
  • 野生動物との遭遇:熊の出没は度々話題に上がりますが、他にもキツネや鹿との遭遇にも注意が必要です。旅行中、見ない日がないくらいキツネには遭遇しました。鹿は当然のように道路の真ん中に立ち塞がっていますし、車に向かって突っ込んでくるものもあります。特に夜間は衝突事故に注意が必要です。

(写真は観光地でも普通に歩いているキツネです。エキノコックスに感染する恐れがあるので近寄ってはいけません。)

根室のきつね

GT3RSで旅行するということ

道に迷うGT3RS

旅行中は毎日300〜500kmほど乗っていましたが、私も夫も全然疲れませんでした。

フルバケットシートで正しい姿勢をキープしてくれるので、ずり下がって無理な姿勢になることもなく腰への負担も軽減されます。

あるいは、開放的な北海道の道で、GT3RSの優れた走行性能を楽しめるので疲れすら感じないのかもしれません。(もちろん安全運転です)

ただし、車高が低いので、段差や道路状況によってフロントリフト機能を駆使しました。リフト機能が無ければ、通行するのを諦めたであろう砂利道や林道、段差が多々あったので重宝しましたが、運転以外にも常に注意しておく必要がありました。大変だったのはこれくらいでしょうか。

北海道一周旅行の全ルート紹介

今回のドライブ旅行のルートはこんな感じになりました。

2023 北海道ツーリング 全旅程

時期は7月中旬の11日間です。フェリーに要する時間を除くと、行動できるのは3日目から10日目までの実質8日間です。

  • 1日目:敦賀 → フェリー乗船
  • 2日目:苫小牧着 → 札幌泊
  • 3日目:札幌 → 富良野 → 美瑛 → 北竜 → 札幌泊
  • 4日目:札幌 → 長万部 → 江差 → 寿都 → ニセコ泊
  • 5日目:ニセコ → 赤井川 → 石狩 → 苫前 → 天塩泊
  • 6日目:天塩 → 稚内 → 紋別 → 北見泊
  • 7日目:北見 → 斜里 → 標津 → 屈斜路泊
  • 8日目:屈斜路 → 根室 → 釧路泊
  • 9日目:釧路 → 帯広 → 音更 → えりも → 新冠泊
  • 10日目:新冠 → 札幌 → 苫小牧 → フェリー乗船
  • 11日目:敦賀着

総移動距離は、約3,600kmでした。

ルートの詳細や、おすすめのコース、グルメなどは別記事で紹介します。

おわりに

北海道一周ドライブ旅行では、美しい自然、豊富な観光スポット、おいしいグルメなど、本当にたくさんの魅力に触れることができました

車での移動なので、天候や体調に合わせて自分のペースで無理のない旅行ができたと思います。そして、なんといってもGT3RSで行動したことで、さらに刺激的で充実したものになりました。

どんな車でも十分に楽しめる北海道ドライブ旅行ですが、思い入れのある車と共に過ごす時間は、特別な思い出として心に残ります

たくさんの楽しみが詰まった北海道一周ドライブ、あなたも挑戦してみませんか?

この記事を読んでくださって、ありがとうございました。

北海道一周ルートの詳細や、おすすめコース、おすすめグルメなどは別記事で紹介していますので、また遊びに来てくださいね。

GT3RSと羅臼岳
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