はじめに

車高の低い車にとって、段差や坂道は大敵です。

どんなに注意深く運転していても不意に遭遇する段差や、避けきれない坂道で車の底やフロントリップを擦ってしまうなんてことは、よくあるのではないでしょうか。「ガガガッ」という嫌な音…。擦ってしまうのは仕方ない、と割り切っていても、大事な車に傷が付いてしまうのは気分が滅入りますよね。

道路がしっかりと舗装されている街中でも、コンビニやガソリンスタンドに入るための急勾配は避けられません。
可能ならバックで入ったり、これは絶対に無理だ…と、お店に入るのを諦めたり。

車高の低い車に縁の無かった私は、当時の夫の車(981GT4)に乗って初めて「車高の低い車はこんなに気を遣って運転しているの!?」と驚愕でした。

それでも時々擦ってしまうというGT4のフロントリップスポイラーは、ポルシェセンターで一度交換したことがあります。当時フロントリップスポイラーは新品で約50,000円。工賃を入れると、約66,000円でした。

フロントアクスルリフトシステムとは

うちのGT3RS(991後期)には、フロントアクスルリフトシステム(以下フロントリフト)というオプションが付いています。

乗るたびに必ず使用すると言っても過言ではない便利な機能です。

フロントリフト スイッチ

取扱説明書によると、停車中や50km/h以下で走行中にスイッチを押すと、3秒から5秒でフロントリップスポイラーの前端部が30mm上がると書かれています。

お店の駐車場に入るときの歩道との段差や坂で効果を発揮します。

フロントを上げた後、再びスイッチを押すと数秒で元の高さに戻りますが、下げるのを忘れていても時速50kmを超えると自動的に下がります。

気温が約-10°Cを下回ると、完全に上昇させるまでの時間が長くなるそうです。

愛車を傷つけたくないなら絶対に付けたいオプションですね。

フロントリフトを動画で検証

実際のところ、いったい何秒で何cm上昇するのか気になり検証してみました。

スイッチを押すと、フロントリップは約3.8cm上昇しました。所要時間はわずか約3.8秒

再びスイッチを押すと、約2.3秒で下降完了です。(外気温28.5℃のときに実施)

使用したい場面の直前でスイッチを押しても十分間に合うくらいの速さです。

オプションでフロントリフトを選択できる車種

フロントリフトを選択できる車種は限られています。現行の車種は以下の通りです。

  • 718 Cayman GT4 RS ¥432,000 
  • 911 Carrera(992) ¥402,000 
  • 911 GT3 / GT3 touring(992) ¥521,000 
  • 911 GT3RS(992) ¥521,000

911は全グレードで選択できます。35km/h以下(国によっては約60km/h以下)での走行中に、最低地上高が40mm上昇します。GT4RSは30mm上昇します。 

タイカン、パナメーラ、マカン、カイエンには設定されていません。

参考

おわりに

フロントリフト機能は車高の低い車を運転する上で、大変重宝する機能です。たったの3.8cmですが、このおかげで何度も助けられてきました。

現行のポルシェの車には、スマートリフトメモリー機能も選択できます。この機能は、障害物の位置を登録しておくと、車がその場所を通るたびに自動的に上昇してくれるようです。毎回ボタンを押すのが面倒な人や、うっかりさんにはありがたい機能ですね。

この記事を読んでくださって、ありがとうございました。

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