はじめに
こんにちは、sioriです。
日産から発売されたフル電気軽自動車「サクラ」が登場してから、日常的に電気自動車を見かける機会が一段と増え、電気自動車は特別に珍しいものでは無くなってきたように思います。自宅でリーフが充電されている光景もだんだんと普通になってきました。
私は、ポルシェ「タイカン」を試乗させてもらって以降、電気自動車に触れる機会も無く、正直なところ特に興味もありませんでした。
しかし、VWから初めてフル電気自動車が発売されると聞いて、とても興味があります。VWは、輸入車の中で最も目にする車の一つと言える身近な存在です。
半年ほど前に夫がGolfを購入して、私もよく乗っているのですが(MTなので私は運転はできません)とても快適で、安心感を得られる車です。飛び抜けて何かが優れているというよりは、満遍なく良く出来ている車なのだと実感します。
そんなVWの作った電気自動車とは、一体どのような感じなのでしょう。
一部の店舗では試乗が出来るということで、さっそくディーラーへ行ってきました。
「 ID.4 」はどんな車?
電気自動車「 ID. 」シリーズのためだけに開発されたプラットフォーム
「ID.」シリーズは、2050年までにCO₂排出量ゼロを目指すVWが、既に欧州で発売しているフル電気自動車です。ついに日本でも発売されることになりました。それがフル電動SUVの「ID.4」です。
電気自動車のためだけに新開発されたプラットフォーム「MEB」で、大容量のバッテリーを搭載。航続距離は国産車(200〜400km台)と比べると圧倒的に長く、車内も広々とした作りになっています。
また、リヤモーター・リヤ駆動のRRで走行安定性や優れたコーナリング性能を実現してくれます。
発売された「 ID.4 」の2つのグレード
日本で現在発売されているのは「Pro Launch Edition」「Lite Launch Edition」という、2種類の「Launch Edition」です。
HPやカタログではこれらの違いが少々分かりにくいので、まとめてみました。
「 ID.4 」ロングドライブに向いているのはどっち?
2つのグレードでの大きな違いは、バッテリー容量とそれに伴う航続距離です。
Pro Launch Edition | Lite Launch Edition | |
---|---|---|
バッテリー容量 | 77kWh | 52kWh |
航続距離 | 561km | 388km |
どちらも十分すぎるほどの航続距離ですが、「Pro Launch Edition」なら、どんな長距離ドライブでも安心できる距離です。
1日1回満充電すれば十分ですね。
「 ID.4 」は充電にどれくらい時間がかかるの?
Pro Launch Edition | Lite Launch Edition | |
---|---|---|
急速充電(90kW) | 約39分で80% | 約37分で80% |
急速充電(50kW) | 約62分で80% | 約44分で80% |
普通充電(6kW) | 約13時間で満充電 | 約9時間で満充電 |
自宅での充電が可能なら、一晩充電しておくだけでしっかり充電できます。
急速充電を使うと1時間もあれば8割充電できます。ドライブ中に、ちょっと休憩がてら充電という使い方でもいいですね。
「 ID.4 」の運転支援システムに違いはあるの?
Pro Launch Edition | Lite Launch Edition | |
---|---|---|
アラウンドビューカメラ | ● | ● |
レーンチェンジアシストシステム | ● | ● |
レーンキープアシストシステム | ● | ● |
同一車線内全車速運転支援システム | ● | ー |
緊急時停車支援システム | ● | ー |
プリクラッシュブレーキシステム | ● | ー |
- アラウンドビューカメラ:フロント・左右サイド・リヤの4台のカメラにより、車両を上空から見下ろしているような合成画像をディスプレイに表示。それぞれのカメラの画像はワンタッチで切り替えられます。車両の周囲を視覚的に把握できるので、狭い路地での確認などに便利です。
- レーンチェンジアシストシステム:斜め後ろの死角エリアに車両が走行している場合、ドアミラーの専用インジケーターが点灯、ウインカーを作動させると点滅に切り替わり警告します。また、検出車両の方向に進路変更しようとするとステアリングを自動で補正して軌道を修正し、他車との接触のリスクを軽減します。
- レーンキープアシストシステム:ドライバーの意図しない車線の逸脱を検知すると、ステアリング補正を行うと同時に警告し、ステアリング操作をサポートします。
- 同一車線内全車速運転支援システム:アダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストシステムの複合機能です。時速約160kmまでの速度域で、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作をアシスト。あらかじめ設定した車速内において前走車との車間および走行レーンの維持をサポートします。
- 緊急時停車支援システム:ドライバーが意識を失うなど運転操作を行えない状態をシステムが検知すると、警告音と警告表示により注意を喚起します。それでも操作が再開されない場合、ハザードランプで周囲への注意喚起を行うとともに、同一車線内において車両を減速させ、最終的に停車させます。停止後はパーキングブレーキがONになります。
- プリクラッシュブレーキシステム:前方の車や歩行者、サイクリストを検知して衝突被害軽減をサポートします。
「 ID.4 」快適機能の違いはあるの?
Pro Launch Edition | Lite Launch Edition | |
---|---|---|
エアコン | 運転席 / 助手席 / 後部座席 独立調整 | 運転席 / 助手席 独立調整 |
パワーシート | ●(運転席 / 助手席)メモリー付 | ー |
シートヒーター | ●(運転席 / 助手席) | ●(運転席 / 助手席) |
シートマッサージ | ● | ー |
スマートフォンワイレスチャージング | ● | ● |
アンビエントライト | ●(カラー調整機能付) | ー |
サウンドシステム | 12チャンネル-6スピーカー | 7スピーカー |
「Pro Launch Edition」には、たくさんの快適機能が付いています。
長距離の移動でも、まるで自分の部屋にいるかのように快適に過ごせそうですね。
「 ID.4 」その他の違いは?
Pro Launch Edition | Lite Launch Edition | |
---|---|---|
ボディカラー | 4色 | 2色 |
ヘッドライト | LEDマトリックスヘッドライト | LEDヘッドライト |
LEDテールランプ | ● | ー |
パノラマガラスルーフ | ●(電動サンシェード) | ー |
テールゲート | 電動 | 手動 |
フロントタイヤ | 235/50 R20 モビリティタイヤ | 235/60 R18 タイヤ |
フロントホイール | 8J×20アルミホイール | 8J×18スチールホイール(ホイールキャップ付) |
リヤタイヤ | 255/45 R20 | フロントと同じ |
リヤホイール | 9J×20アルミホイール | フロントと同じ |
- ボディカラーは「ムーンストーングレー」「グレイシアホワイトメタリック」「ストーンウォッシュドブルーメタリック」「ブルーダスクメタリック」の4色展開です。そのうち、「Lite Launch Edition」で選択できるのは、「ムーンストーングレー」「ブルーダスクメタリック」の2色のみです。
- モビリティタイヤ:タイヤトレッド部(接地部分)への直径5mm以内の釘等でできた穴をシーラント剤が塞ぎ空気漏れを防ぐことで継続走行が可能なタイヤです。
VWディーラーに行ってきました
「 ID.4 」はどこで試乗できるの?
発売して初めての週末にお店へ伺いました。
「 ID.4 」を取り扱っているディーラーは限られています。取り扱い店を検索してから、ディーラーへ行きましょう。ネットで予約もできます。
売れ行きは?在庫はあるの?
「 ID.4 」の在庫は特殊なようで、ディーラー在庫は無く、メーカー在庫のみのようです。
発売からわずか5日でしたが、既に「Lite Launch Edition」は在庫がありませんでした。
「Pro Launch Edition」は注文可能ですが、こちらも残り20台程度とのこと。こちらの店舗の試乗車と同色の「ブルーダスクメタリックストーン」と「ウォッシュドブルーメタリック」のブルー系2色のみです。
「Launch Edition」が完売したら、次はいつ購入できるの?
現在購入可能な約20台が売れてしまえば、次に購入できるのは2023年モデルです。2023年モデルがいつ頃発売になるかは未定なので、購入を考えている方は急いだ方がよさそうです。
グレードは現在発売中のものと同じく2種類で、海外で発売されているような四駆や、赤系の色が入ってくる予定は無いそうです。装備もおそらく同様のものになるだろうとのこと。赤色(オーロラレッドメタリック)の「 ID.4 」かっこいいのに残念です。
「 ID.4 」試乗!
力強くてスポーティな外観
試乗させて頂いたのは、ブルーダスクメタリックストーンの「Pro Launch Edition」です。
力強さとスポーティさを兼ね備えた見た目に、濃いブルーが映えるといった印象です。
ボディサイズは全長4585mm、全幅1850mm、全高1640mm。大きく見えますが、意外とコンパクトなサイズです。
電気自動車なので、フロントグリルはありません。
何層にも配置されたテールランプは立体的でおもしろくて、かっこいいです。
上質で、すっきりとしたインテリア
内装はグレーと茶色で配色されて、統一感があります。大きなモニターと、最低限のスイッチ類ですっきりと落ち着いた印象です。
シートは硬すぎず、柔らかすぎず、適度にホールドしてくれるので、長時間座っていても疲れなさそうな座り心地です。
電動で楽々と位置やリクライニングの角度を調整でき快適です。
不意にマッサージのボタンを押してしまって驚きましたが、背中や腰をいい感じの強さでゆっくりと押し上げてくれるマッサージ機能が最高でした。
センターコンソールは、電動パーキングブレーキなのでサイドブレーキのレバーがありません。
このスペースには、広々とした収納スペースが設置されています。仕切りが2箇所に取り付けられるようになっており、自分の使いやすいようにレイアウトして使えます。また、スライド式のカバーが付いているので、駐車時には外から見えないように閉めておくこともできます。カバーを閉めると、一層すっきりとしてオシャレ度が増します。
そして、大きなガラスルーフがすごくよかったです。シェードを電動で簡単に開閉できるので、必要なときだけワンタッチで空を見上げることができます。この広いガラスルーフのおかげで、後部座席でも開放感があり、窮屈さを感じません。
後部座席のフロアは中央部の段差が無く、完全なフラットです。乗り込むのも簡単ですし、中央のシートでも、足を置く位置に困りません。
「 ID.4 」は完成度が高く、運転しやすい車
運転席に座ると、柔らかすぎずしっかり感のあるシートの印象でした。かと言って硬すぎるわけでもなくちょうどよい感じです。同じVWのGolfにも似た印象でした。
通常のメーターの位置にある画面は、やや小ぶりで、スピードや航続可能距離など基本的な車のステータスが表示されていました。小さいからと言って、見づらいわけでもなかったです。メインの画面パネルはやや大きめでしたが、視界を遮るようなものではなく、邪魔な印象は無かったです。
運転席からの景色は、車高が高めなので見通しが良かったです。そしてミラーがとても大きく状況の確認がしやすかったです。
動力性能については街中の試乗なのであまり試せてはいませんが、信号での停止状態からの発進は軽くアクセルを踏んだだけで、スーッとストレスなく加速できて、2tの重さを感じさせないものでした。このあたりのフィーリングでやはり電気自動車のそれと言った印象でした。
ブレーキは必要十分な印象でしたが、停止位置までの距離が短い場合は、若干重さが表に出てきて停止するためにはブレーキを強く踏まなければならない場面もありました。足回りは柔らかめでしたが、すごく柔らかすぎるわけでもなく、路面からの適度な応答が入るので状況がわかりやすいと感じました。
総じていうと、動力が電気だからどうというより、車としての完成度が高く運転しやすい部類の車だなと思いました。
…と言うのは運転していた夫の感想で、助手席に座っていた私は、ただただ快適に過ごしていました。
「 ID.4 」見積もり公開
電気自動車は助成金をもらえるので、「Lite Launch Edition」なら500万円を切ります。
新車で400万円台なら、VWの他のガソリン車とそれほど変わらない値段設定ですね。
Pro Launch Edition | Lite Launch Edition | |
---|---|---|
乗り出し価格 | 6,977,360 円 | 5,611,360 円 |
CEV助成金あり(65万円) | 6,327,360 円 | 4,961,360 円 |
「Launch Edition」購入者にお得なサポート
2023年6月末までに成約すると、お得なサポートを受けられます。
- 家庭用充電器設置費用として10万円サポート
- e-Mobility Power(ディーラーや道の駅に設置されている充電スポット)での充電が毎月90分まで無料(1年間)
- VW正規ディーラーの急速充電器での充電が毎月60分まで無料(1年間)
おわりに
元々、エンジンやギアに関する知識があまりなく、複雑な自動車の仕組みに疎い私にとって、電気自動車は魅力的に思えます。運転が大好きな人には物足りないかもしれない電気自動車ですが、そのシンプルさと直感的な操作性は、私には合っているかもしれません。
ディーラーを訪れる前に、電気自動車についての基礎知識を学ぶ機会がありました。国内外を問わず、多くの自動車メーカーが環境保護や未来の持続可能性を考慮して、電気自動車の開発に力を入れていることを知り、感動を覚えました。
かつては未来の乗り物として捉えていた電気自動車が、現在では身近な存在となりつつあります。この変化は、充電インフラの拡大によってさらに加速しています。調べてみると、私が知らなかっただけで、充電スポットは日々増加しており、電気自動車での生活が十分可能であることを実感しました。
また、電気自動車の経済的な利点も大きな魅力の一つです。税金の免除や新車購入時の補助金、そして何よりも燃料費の削減が大きなメリットとして挙げられます。電気自動車の運用コストは、ガソリン車と比較して低いことが多いです。
次の車選びのときには、電気自動車も候補に入ってくるかもしれませんね。
この記事を読んでくださって、ありがとうございました。
投稿者プロフィール
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運転練習中のペーパードライバー🔰
いつかかっこよくポルシェを運転したい!
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