はじめに
こんにちは、sioriです。
「ポルシェのブレーキは宇宙一」という言葉を聞いたことがありますか?これは、自動車評論家の清水和夫さんの言葉です。
私自身、自動車に関する知識はまだまだ浅く、ブレーキの基本的な仕組みや、それがどのように車の安全性とパフォーマンスに影響しているのかについて、つい最近までほとんど理解していませんでした。

今回、ポルシェのブレーキがどういうものなのか、また、ポルシェのブレーキが宇宙位置と称される理由について調べてみました。
この記事では、ポルシェのブレーキ性能が「宇宙一」と称される理由を、ブレンボとの共同開発や厳しいテスト基準、実際の制動距離ランキングなどを通じて詳しく解説します。
ポルシェのブレーキはブレンボとの共同開発!
ブレンボは、イタリア生まれのブレーキ専門メーカーで、F1などのレースでも使われている高性能ブレーキを作っている会社です。
ポルシェやフェラーリ、AMGなどのスポーツカーにも使われていて、「止まる性能」にこだわる車には欠かせない存在です。
ポルシェとブレンボは長年タッグを組んでいて、それぞれの車種に合わせて、最適なブレーキを一緒に開発しています。
ポルシェの高い性能基準と、ブレンボの最新技術を掛け合わせることで、その車にぴったり合った、安全で信頼できるブレーキシステムが作られているのです。

ポルシェが求めるブレーキ性能
エンジン出力の4倍の制動力
エンジンの力とブレーキの力は、表と裏のような関係にあります。
つまり、車がどれだけ速く走れるか(エンジン出力)と、それをしっかり止められるか(制動力)は、どちらも欠かせないセットだということです。
特にポルシェは、安全性を非常に重視していて、エンジン出力の4倍もの制動力をブレーキに求めているほどです。
たとえば、991型GT3は510馬力ですが、それを支えるためには2000馬力以上の制動力が必要とされています。
ブレーキの設計には、車重、加速力、前後の重さのバランス、最高速度など、さまざまな条件が考慮されます。そして、冷却のしやすさやタイヤのサイズまで細かく調整され、その車に最適なブレーキが設計されているのです。
さらにポルシェは、ただ効くだけのブレーキではなく、静かで快適に使えることも大事にしています。たとえ強力なブレーキでも、毎回キーッと音がしたり、不快に感じるようでは意味がありません。
そのため、ポルシェのブレーキは、高い性能と日常での使いやすさを両立した設計になっています。
厳しい基準をクリアするための数々のテストを実施
ポルシェのブレーキは、極限の状況でも信頼できることを証明するために、非常に厳しいテストをクリアしなければなりません。
その代表的な試験のひとつが、超高速テストコースで行われる連続制動テストです。
このテストでは、車を時速90kmから230kmまで加速し、その後フルブレーキで停止する動作を15回繰り返します。この過程でブレーキディスクは750℃にも達する超高温になります。
さらに、その後150℃まで冷却させて冷却効率を確認し、再び急ブレーキを5回実施。最初と同じようにブレーキが効くかどうかを確認することで、ブレーキ性能の持続性や耐久性がチェックされるのです。
こうした徹底的な試験を通じて、ポルシェは「どんな過酷な状況でも確実に止まれる」ブレーキシステムの品質を追求しています。
そして、この基準をクリアしたものだけがポルシェのブレーキとして認められ、実際の車両に搭載されます。
このレベルの開発と品質管理があるからこそ、ポルシェのブレーキは「宇宙一」とまで言われるほど高く評価されているのです。

ベストブレーキングカーで堂々1位に輝くポルシェ
ドイツの自動車専門誌『アウト・モトーア・ウント・シュポルト』が、「時速100キロから完全停車までの制動距離が世界で一番短い車はどれか」をテーマに、ランキングで発表しました。
このテストは、数日間にわたって実施されます。成人2人が乗った状態で、急停車を9回行ってブレーキを温めた後、10回目を計測の対象とします。
2016年度のランキング
- ポルシェ 911 GT3(991):30.7m
- シボレー コルベットZ06(C6):31.0m
- フェラーリ F12ベルリネッタ / KTMクロスボウ GT:31.3m
2018年度のランキング
※ 同じ車種はひとまとめにして、ブレーキ性能が最も高かったモデルをランキング
- ポルシェ 911 GT2RS(991):29.3m
- フェラーリ 488 GTB:30.2m
- シボレー・コルベットGrand Sport(C7)/ Z06(C7):31.0m
ちなみにポルシェは、他にも8位 スパイダー(918)31.4m、17位 911 Sport Classic(997)32.1m、31位 ケイマンS(981)32.6m、33位 ボクスターS(718)が32.7mでランクインしています。(モデル違いは省略)
2021年度のランキング
※ 同じ車種はひとまとめにして、ブレーキ性能が最も高かったモデルでランキング
- ポルシェ 911 GT3RS(991):28.2m
- マクラーレン セナ:28.5m
- フェラーリ 488 ピスタ:29.6m
ちなみにポルシェは、12位にスパイダー(918)が31.4mでランクイン(上位15位まで)しています。
ブレンボ公式「100km/h から0 km/hへ。最も優れたブレーキングを実現するマシン50台」2021年12月24日
ポルシェのブレーキのグレード
ポルシェのブレーキキャリパーには、グレードによって色分けされています。
- イエロー:ポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ(PCCB)
- 最も高性能なブレーキシステム
- 高速からでも短い距離でしっかり止まる
- ディスクが軽く(鋳鉄の半分)クルマの運動性能が向上
- 主にサーキットや高速走行に最適
- ブラック:高負荷対応ブレーキ
- サーキット走行などブレーキに強い負荷がかかる場面でも安定した性能
- キャリパーは軽量なアルマイト製
- ペダルの踏み応えがしっかりしていて、レスポンスが良い
- レッド・シルバー:ブラックの強化版
- ブラック仕様をさらに高性能化したモデル
- より高い制動力と耐久性を持つ上位仕様
- ホワイト:PSCB(ポルシェ・サーフェス・コーテッド・ブレーキ)
- 新型カイエンSなどに搭載
- 鋼製ディスクの表面にセラミック加工したブレーキ
- 制動力はPCCBに迫るほど強力
- ブレーキダストが約90%少なく、ホイールが汚れにくい
- 錆びにくく、見た目もキレイに保てる
- アシッドグリーン:ハイブリッド専用カラー
- カイエンやパナメーラのハイブリッドモデル専用
- PCCBが装着されている場合もこの色になる
おわりに
ポルシェは、圧倒的なスピードとパフォーマンスで知られていますが、それと同様にブレーキシステムの開発にも力を注いでいます。
高速域で走行することの多いポルシェの車にとって、信頼性できるブレーキは不可欠なものですね。
この記事を通して、ポルシェのブレーキシステムがどれほど特別であるか、なぜ「宇宙一」と称されるに至ったのかについて、知っていただけたら嬉しいです。
それでは、最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
投稿者プロフィール

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ずっと運転練習中🔰
かっこよくポルシェを運転できるようになるのが目標です😊
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