はじめに
ポルシェ911タルガは、スポーツカーの世界において、その独特の魅力と希少性で特別な地位を確立しています。
GT3やGT3RSなどのGTシリーズがそのパフォーマンスで注目を集める中、タルガはそのレアな存在感とユニークなデザインで静かにその価値を高めています。特に、メジャーリーグベースボールのスターである大谷翔平選手が選んだ車としても知られるようになり、その話題性はさらに増しています。
タルガは、オープンカーの開放感と、クーペの安全性や快適性を融合させた独特の半開放型ボディスタイルとなっており、天気や気分に応じて車のキャラクターを変えることができます。ポルシェ911シリーズの中でも、タルガはラグジュアリーな部類に入りますが、その魅力は見た目の美しさだけにとどまりません。
この記事では、ポルシェ911タルガの歴史、特徴、進化し続けるデザインについて探っていきます。
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タルガの特徴
ポルシェ911タルガを象徴する最大の特徴は、その革新的なロールオーバーバー(タルガバー)と、巧みに設計されたルーフシステムにあります。
このユニークな構造により、前席部分のルーフを開放し、オープンカーのような解放感あふれるドライブを存分に楽しむことができます。一方で、クローズドボディの快適性と安全性を損なうことなく、オープントップの魅力を堪能できるのがタルガの大きな魅力です。
前席からの視界は、まさにオープンカーそのものですが、頭上から後方にかけては、がっちりと守られている設計になっています。
ルーフの開閉メカニズムは、スイッチ一つで自動的に行われます。ルーフが開閉する様子は、まるでロボットが変形するかのような壮観な光景で、見る人すべてを魅了してしまうでしょう。
動画にしてみましたので、ぜひ見てみてくださいね。
タルガの名前の由来
タルガという名前は、イタリアの有名なロードレース「タルガ・フローリオ」に由来しています。ポルシェが長年にわたって参加し、成功を収めたレース「タルガ・フローリオ」は1906年に始まり、シチリア島の山岳道路を舞台にした伝説的な耐久レースで、自動車レースが始まった頃からの重要なイベントの一つでした。
開発された新しいオープンモデルの車に「タルガ」という名前を冠することで、ポルシェはそのレーシングの栄光と勝利の歴史を車に反映させたのです。
もともと、タルガという言葉自体には「盾」や「保護板」の意味があり、車両の安全性能を象徴する名前となっています。
タルガの歴史と進化
タルガが開発された経緯
タルガのデザインは、1960年代の自動車の安全規制への対応と、オープントップカーの楽しさを維持するというポルシェの願望から生まれました。
1960年代、アメリカ合衆国をはじめとする国々で自動車の安全規制が厳しくなり始めました。特に、オープントップ車に関しては、ロールオーバー(横転)時の乗員保護に関する懸念が高まっていました。ポルシェは、これらの新しい安全基準を満たしつつ、オープンエアのドライビング体験を提供する車両の開発に取り組みました。
ポルシェのデザイナーとエンジニアは、安全性を確保しつつオープントップの魅力を損なわない解決策として、タルガの特徴的なデザインを考案しました。固定されたロールバーは、車体の剛性を高めて横転時の安全性を向上させる一方で、前席のルーフを取り外すことでオープンエアを楽しめるようになりました。
こうして、コンバーチブルとクーペの中間的な存在として、独自の市場を確立したのです。
タルガのデザインの変遷
ポルシェ911タルガのデザインは、数十年にわたり進化を遂げてきましたが、その核となるコンセプトと独自性は保たれています。
初代タルガ(1965年 - 1973年)
1965年にデビューした初代タルガは、安全性を重視した独特のデザインで、固定されたステンレススチール製のロールバー、取り外し可能なルーフ、プラスチック製のリアウィンドウ(後にガラス製に変更)を備えていました。
初期のバージョンではリアウィンドウが柔軟なプラスチック製だったため、初代モデルは「ソフトウィンドウ」タルガとしても知られています。
Gシリーズ(1974年 - 1989年)
1974年に導入されたGシリーズでは、リアウィンドウが固定されたガラス製になり、全体の構造がより剛性が高く、耐久性のあるものになりました。
この期間中には、車両の安全性と快適性も向上し、空調システムとシートも改良されました。
メディエイトカーズさんに伺ったときに撮影したタルガです。現在も販売中のようです。
964シリーズ(1989年 - 1994年)
964シリーズのタルガは、より現代的なデザインと技術の導入を見ました。
この世代では、従来の取り外し可能なルーフ代わり、電動で引き込み可能なガラス製のルーフが採用され、操作性が向上しました。
993シリーズ(1994年 - 1998年)
993はポルシェ911の最後の空冷エンジンモデルです。
この世代のタルガは、新しいアルミニウム製のロールバーと改善されたルーフを特徴としていました。
996シリーズ(1998年 - 2004年)
996世代から、タルガは大幅に再設計され、車体に沿ってスライドする大きなガラス製ルーフとなりました。これにより、クーペのような閉じた空間の快適さを兼ね備えています。
写真は関東で偶然出会った方のタルガを撮影させていただいたものです。
997シリーズ(2004年 - 2012年)
997シリーズのタルガは、先代モデル(996シリーズ)の特徴であった大きなガラス製ルーフを継承しつつも、よりスムーズな操作性と改良されたメカニズムを特徴としました。
この世代では、パフォーマンスと快適性が向上したほか、全輪駆動が標準となり、ドライビングダイナミクスと安定性を高めました。
991シリーズ(2011年 - 2019年)
991シリーズでは、車両は全体的により大きく、軽量で効率的になりました。タルガのデザインも一新され、より流線形でモダンな外観になりました。
この世代のタルガは、初代モデルのデザインへと回帰し、タルガバーの形状が復活しました。ガラス製ルーフは自動的に開閉し、背後に収納されることで、クラシックなルックスと快適性を融合させています。
992シリーズ(2019年 - 現在)
992シリーズのタルガは、ポルシェの最新の技術革新を体現しています。外観はさらに洗練され、インテリアも最新の技術と素材でアップグレードされました。
最新モデルでは、パワートレインが強化され、より高いパフォーマンスと効率を実現しています。
写真はSNSを通じて知り合った方と一緒にタルガを撮影させていただいたものです。
大谷翔平さんが乗っているタルガについて
大谷翔平さんが乗っていると報道されているのは、「911タルガ4S」です。
タルガ4Sは、タルガ4とタルガ4GTSの中間に位置づけられます。タルガ4に比べると、より高出力のエンジンを搭載しているため、パワフルな走りが特徴です。日常のドライビングからスポーツドライビングまで、幅広いシーンでその性能を発揮します。一方、スポーティーな走りを追及しているタルガ4 GTSと比較すると、タルガ4Sは日常使いの快適性とスポーツカーとしてのパフォーマンスのバランスに優れていると言えます。
大谷さんが選んだタルガのボディカラーについては、報道では白色やシルバーと紹介されることがありますが、正確には「クレヨン」と呼ばれる色です。クレヨン色は、薄いベージュがかったグレーで、環境の光や天候によって微妙に色味が変化し、見る角度によって様々な表情を見せるおもしろい色です。
クレヨン色のボディにブラックの幌、そして黒いタルガバーが組み合わさって、おしゃれでエレガントですね。大谷さんにすごく似合っています。
報道を含め、ネットに出ている写真からわかるオプションはこのような感じでしょうか?
- RSスパイダーホイール(色付きポルシェクレスト)
- スポーツデザインパッケージ(ハイグロスブラック)
- ドアミラー下部ボディ同色塗装
- タルガバー(黒)
- リアモデル名ハイグロスブラック
- スポーツエグゾースト(黒パイプ)
- キャリパー塗装(黒)
- エクスクルーシブデザインテールライト
内装については情報が無いので、わかりません。あくまでも予想ですので、間違っていたらごめんなさい。
おわりに
この記事を通じて、ポルシェ911タルガの魅力や、ユニークな特性を知っていただけたでしょうか。
これは、タルガに限ったことではありませんが、ポルシェ911は、ドライビングの楽しさを追求し、日常を特別なものに変える力を持っています。それは、ただの移動手段ではなく、ライフスタイルそのものを豊かにする存在です。
中でもタルガは、その革新的なデザイン、卓越したパフォーマンスにより、単なるスポーツカーを超えた存在と言っても過言ではないと思っています。タルガは、オープンカーの楽しさを求める人も、クーペの快適性と安全性を重視する人も、タルガはそれらのニーズに応えてくれる車です。
そんな素晴らしいポルシェ911タルガに乗れることに感謝して、これからも情報を発信できたらいいなと思っていますので、また見に来てくださいね。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
投稿者プロフィール
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運転練習中のペーパードライバー🔰
いつかかっこよくポルシェを運転したい!
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