はじめに
電気自動車は、良くも悪くもよく話題に上がります。賛否両論ありますが、実際に所有してみないことには本当のところは分かりません。
そんなことを考えているうちに、試乗もせずに興味本位で購入したのがテスラ モデル3です。
モデル3を購入して半年が経ち、いろんなことが見えてきたのでまとめてみました。
私が購入した電気自動車はテスラ モデル3
私が購入したテスラは、2020年製のモデル3 ロングレンジです。ロングレンジの名前の通り、長距離走行に特化したモデルです。
この車の特徴については、こちらの記事をご参照ください。
テスラ モデル3に乗って良かったこと
快適なドライブ
- 静かな車内:モデル3に乗っていると、静かで滑らかなドライブができます。エンジン音が無いことや、運転席と助手席の窓ガラスが二重であることにより、ガソリン車と比べて静かな乗り心地が得られます。
- 優れた加速性能:電気自動車特有の直線的なトルクにより、驚くほどスムーズな加速感が体験できます。これは、ガソリン車とは全く別の感覚です。特に高速道路での合流や、追い越し時に役立ちます。
- 十分な航続距離:特にロングレンジモデルでは、一度の充電で非常に長距離を走行できます。これは電気自動車の一般的な課題である「航続距離の短さ」を克服していると言えます。出発時に十分に充電されていれば、途中で充電の心配をすることなく一日中ドライブできます。
- オートパイロット機能:テスラの半自動運転機能であるオートパイロットは、長距離ドライブや渋滞時には無くてはならないほど優秀な機能です。
テスラならではの便利な機能
- スマホアプリ:テスラのアプリをスマホに入れて設定しておくと、スマホが鍵の役割を果たします。スマホを持っているだけで開錠、施錠、運転ができるので、鍵を持ち歩く必要がありません。また、遠隔で車内の温度を調節したり、充電状況を見たり、いろいろな便利機能があるので、無くてはならない存在です。
- ソフトウェアアップデート:テスラの車は、インターネットを通じてアップデートできます。これにより新しい機能が追加されたり、既存の機能が改善されたりします。お店に持って行くことなく車の機能がアップデートされるので、とても便利です。どんなアップデートがくるのか、毎回お楽しみです。
- スーパーチャージャーネットワーク:テスラは自社の急速充電網を世界中に展開しています。これを利用すれば、他の急速充電に比べて圧倒的に短時間で車を充電できます。スーパーチャージャーが設置されている場所は限られていますが、どんどん設置箇所が増えているので、これからさらに便利になっていくと思います。
車から降りたくなくなる快適空間
テスラはどの車種も、非常にすっきりとしたインテリアで、広々とした空間です。
排気ガスや騒音が発生しないので、外を気にすることなく駐車中も冷暖房を作動させることができます。運転するときはもちろん、休憩するときも、作業するときも、快適に過ごせます。大人2人での車中泊も余裕で出来ちゃいました。
テスラの車内でリモートワークされている方もいらっしゃるようで、かっこよくて憧れます。
テスラ モデル3に乗っていて困ったこと
モデル3に乗っていて、困ったことはありません。
強いて言うなら、テスラの車が便利すぎて他のメーカーの車に乗るときに戸惑うことがあることでしょうか。たとえば、テスラの車は駐車した後、何も操作せずに車を降りて立ち去れます(スマホで施錠)。その癖が付いてしまったら、エンジンを切ることも、施錠することも忘れてしまいます。
テスラの車に慣れてしまうと、他の車に乗れなくなってしまいますね。
テスラ モデル3における充電の実際
モデル3を購入するにあたって準備したもの(充電関連)
- 普通充電用ケーブル(¥23,000):Amazonで汎用の普通充電ケーブルを購入しました(https://amzn.to/3SpwHYZ)。普通充電アダプタは車に付属する純正品を使用しました。
- CHAdeMOアダプタ(¥65,000):テスラスーパーチャージャー以外の急速充電使用時に必要なアダプタです。中古で購入しました。
- 日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3):日本全国に普及したeMP充電スポット利用できる日産の充電カード。うちは自宅での普通充電がメインで、基本的に急速充電は使用しません。このカードはいざというときのお守りとして持ちたかったので、月額料金550円のシンプルプランに加入しました。※ 2023年9月1日よりサービス内容改定あり
テスラのスーパーチャージャーだけで充電するのであれば、何も準備する必要はありません。テスラのアプリからアカウントにクレジットカードの登録をすると、すぐにスーパーチャージャーを利用できます。
CHAdeMOとは
CHAdeMO(チャデモ)とは、日本で開発された電気自動車の急速充電規格で、世界でも広く利用されています。「CHArge de MOve = 動く、進むためのチャージ」「de = 電気」「充電中にお茶でも」の3つの意味を含んでいます。
主に公共の駐車場や、道の駅、ガソリンスタンド、ショッピングモールなどに設置されています。
テスラの車でCHAdeMOを利用するには、専用のアダプタが必要です。以前は標準装備だったようですが、現在は別途購入しなければなりません。
我が家では普通充電がメイン
テスラは長距離ドライブでも充電を気にする必要はありませんが、購入して間もない頃は、スーパーチャージャーや色々な場所の急速充電を興味本位で巡っていました。探してみると、無料の急速充電がスーパーや道の駅に設置されています。しかし、無料のところは人気なので順番待ちがあったり、時間制限があったり、なんだか落ち着かない雰囲気が私は少し苦手です。トラブルも尽きないようです。
結局のところ自宅での充電が一番楽です。
急速充電の新鮮味が薄れてきてからは、ほとんど自宅の普通充電で済ませています。
充電の頻度について
電池残量がわずかな場合でも、夜に充電(200V)を開始したら翌日の昼ぐらいに充電が終わります。
ちなみに、車に全然乗っていなくても、セントリーモード(セキュリティ)やオーバーヒートプロテクションの作動で電池残量は減っていきます。残量が30%を切ったら充電することにしているのですが、あまり乗っていないときでも、だいたい2週間に1度のペースで充電しています。
充電にかけた費用
充電の統計
私が6ヶ月間で実際にどれくらい充電に費用をかけたのか、そのデータを紹介します。
こちらの図表は、テスラのアプリで閲覧できる充電の統計情報です。
この図表では、総支出にZESP3の料金は含まれていないので別途計算します。
自宅での電気料金は約30円/kWhで計算、「その他」の充電方法はスーパーチャージャー以外の急速充電を表しています。
充電の割合は、自宅での充電72%、スーパーチャージャー13%、急速充電15%です。
- 総充電量:1,631kWh
- 総走行距離:5,584km
- 総支出:49,465円(ZESP3の料金を含む)
走行1kmあたり約7.8円の充電費用がかかっている計算になります。
ガソリンとの比較
モデル3の充電にかかる費用は、ガソリンと比べるとどうでしょうか。
テスラのアプリにも比較できる統計があります。総支出はZESP3の料金を含めると49,465円、ガソリン相当で98,080円、6ヶ月間で48,615円節約できたようです。(レギュラーガソリンで計算)
もし私のモデル3がガソリン車だったなら、どれくらいの燃費に値するでしょうか。ハイオク価格で計算してみます。
同時期の京都府のハイオク平均価格は177円/Lなので、総支出49,465円でハイオクのガソリン290L購入できる計算になります。燃費にすると約19.19km/Lです。
もっと燃費のいい車はたくさんありますので、モデル3が劇的に安いというわけではありません。しかしながら燃費の割に動的性能が高く、例えば停止状態から100km/hまでのの加速では一般的なスポーツカーと同等です。
急速充電設備に対して不満に思うこと
- 充電インフラの不足:圧倒的に充電設備の数が足りないと感じます。特に都市部から離れると、急速充電スポットが少なくなり、計画的に充電スポットを探す必要があります。充電スポットを探せる便利なアプリがあるので、探すのは容易です。それでも充電器が故障中…なんて予想外のトラブルがあったときには、冷や汗ものです。
- 充電時間:テスラのスーパーチャージャーほどの出力だと話が別ですが、その他の出力の小さい充電器だと、1時間充電しても航続距離はあまり増えません。充電時間を他のことに上手に使える人なら問題ありませんが、私はこの時間をもったいないと思ってしまいます。高出力の充電器が増えて欲しいです。
- 料金設定:時間ベースの料金設定の急速充電器では、利用時間に応じて料金が設定されます。例えば、1時間あたりの料金が設定され、その時間内でどれだけ充電できるかは、充電器の出力と車両の受け入れ能力によります。充電器の出力が高く、車両がそれをフルに受け入れることができれば、比較的安価に多くの電力を得ることができます。しかし、バッテリーの状態により充電速度が遅くなった場合や、充電器の出力が小さい場合など、充電速度が遅い状況では割高になる可能性があります。
ガソリンのように、どれだけ燃料を補給したかに基づいて料金が発生する方が、公平でいいなと思います。
ドライブの途中に充電することになっても、「30分くらい休憩時間と捉えれば気にならない」という意見があります。私もモデル3購入当初はそう思っていました。
しかし、急速充電設備の数は圧倒的に足りないので、順番待ちをしなければならない場合が多々あります。特に高出力の充電器は人気なので、何台も順番を待っています。先に充電している人が30分経っても戻ってこない…なんて場合もあります。
いつでも、どこでもスムーズに充電できるわけではないということを知っておいてほしいです。
電気自動車はどんな人に向いている?
電気自動車の一番の課題は充電インフラの整備です。
都会ではマンション住まいの方が多く、自宅に専用の駐車場やガレージがないため、自宅での充電は難しい場合があります。そのため、公共の充電ステーションやコミュニティ内の充電設備を頼りにする必要があります。近くに充電設備があれば不自由しませんが、充電のために何十分も走らせないといけない状況では、厳しいものがあると思います。
一方、戸建て住まいの方が多い地域では、自宅に駐車場やガレージがある場合、自宅に充電設備を設置することが可能です。通勤など普段の運転に使う分には充電の問題は解決できます。電源に繋ぐだけですので、特に面倒に思うこともありません。また、自宅で太陽光発電を利用している場合、それを充電に活用することも可能で、電力コストをさらに抑えることができます。
今の日本では「一回の充電で出かけて帰ってこられるくらいの運転をして、自宅で充電する」といった生活こそ電気自動車がピッタリではないかと私は思います。
モデル3を売却しました
初めての電気自動車となったテスラ モデル3ですが、実は既に売却しました。
モデル3の操作、運転、充電など全てが新鮮で、興味深いものでした。大きなトラブルも無くモデル3と生活して、モデル3と色々なところへ遊びに行ける毎日がとても楽しかったです。
出来ればこれからも乗り続けたいと思っていましたが、他の車やその車との新しい生活に興味があり、名残惜しいですが手放しました。
おわりに
電気自動車は想像していた以上に便利で、今の日本でも十分に楽しむことができるものだと実感しました。
もちろん充電設備はまだまだ不十分だと思いますが、その状況は次第に良い方向へ変わりつつあります。これからますます電気自動車が現実的な選択肢となっていくのではないでしょうか。
私のテスラ モデル3と過ごした体験が、どなたかの車選びの参考になれば嬉しいです。
この記事を読んでくださって、ありがとうございました。
投稿者プロフィール
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運転練習中のペーパードライバー🔰
いつかかっこよくポルシェを運転したい!
詳しい自己紹介はこちら。
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テスラの勢いが中国の電気自動車メーカーBYDに押されてきている最近ですが、テスラ車に興味があって情報収集させいただきました。
とても役に立ちました。
車についてよく検討し、しっかりデータベース化し、そして挑戦してきたんだなと感じました。
参考になりました。
ありがとうございました。
makiさん
コメントありがとうございます。
テスラ車は、移動手段として快適で、さらにおもしろくて、楽しい車でした。
テスラ車のことを知っていただく上で、お役に立ててとても嬉しいです。