はじめに
こんにちは、sioriです。
ポルシェから離れて数か月。今度は、「いろんなエンジンの車に乗ってみたい」という夫の夢を叶えるべく、私もいろんなメーカーの車に興味を持つようになりました。
そして、我が家に迎えられたのが、5リッターV10エンジンを積んだBMW M6(E63)です。
今回は、私が実際に感じた走りの印象や乗り心地、そして排気音(バルブON/OFF比較)を動画で紹介します。
現代に求められている「環境にやさしくて、静かな車」とは違う、「五感で楽しむ車」の魅力を感じていただけたら嬉しいです。
V10が奏でる心を震わせるサウンド | BMW M6 E63とは?
BMW M6(E63)は、2005年から2010年まで販売されていたクーペモデルで、同じ時代のM5と同じS85型・5リッターV10エンジンを積んでいます。
このV10は、実はBMWの歴史の中でもこの時代だけに存在した特別なエンジンで、後にも先にも、BMWでV10を搭載したのはE60型のM5とM6だけなんです。
- BMW M5 E60(セダン)
- BMW M5 E61(ワゴン)
- BMW M6 E63(クーペ)
- BMW M6 E64(カブリオレ)
当時BMWはF1に参戦していて、その技術をもとに開発されたのがこのS85型のエンジンです。自然吸気で8,000回転を超えるまで滑らかに吹け上がり、まるでレーシングカーのような高揚感を味わえます。
最近の車のようなターボの力強さではなく、回転と音で魅せるエンジン。今の時代ではもう作られない「最初で最後のNAのV10」として多くの人に愛され続けています。
【エンジンスペックと走行性能】
| エンジン | S85B50(V型10気筒) |
| 排気量 | 4999cc |
| 最高出力 | 507ps / 7750rpm |
| 最大トルク | 53.0kgm / 6100rpm |
| トランスミッション | 7速SMG III |
| 駆動方式 | FR |
| 車両重量 | 約1,710kg |
豆知識:M6のV10は、他のV10とどう違う? | バンク角と点火間隔の違いについて
BMW M6(E63)に搭載されているV10エンジン「S85B50」は、今でも多くの人を惹きつけます。
M6のエンジンは、高回転では鋭く突き抜ける音、低回転では力強く響く音をあわせ持っています。この音の秘密は、エンジンの構造にあります。
「V型エンジン」の「V」というのは、ピストン(シリンダー)が左右に分かれてVの字のように配置されていることからきています。この左右の開き具合を「バンク角」と呼び、その角度によってエンジンの振動や音の響きが変わります。
そして、点火の仕組みによっても、音の性質が異なるのです。
代表的なV10エンジンの車とそのサウンドの特徴を比べてみました。
| 主な車種 | バンク角 | 点火間隔 | 音の特徴 | 音の印象 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| BMW M5/M6 (E60/E63) | 90° | 不等間隔点火(特別なクランク) | 高回転ではF1のように金属的な高音、低回転では太く力強い音 | 高く伸びるけど芯のある音 | BMW M専用エンジン。90° / 54°の不等間隔点火だが、等間隔点火のようなフィーリングを実現した設計 |
| Lamborghini Huracán/Audi R8 V10 | 90° | 不等間隔点火 | 低音が強く、荒々しく爆発するようなサウンド | 迫力があってワイルド | V8をベースにした設計。少し不均一なリズムが特徴 |
| Dodge Viper (8.0–8.4L) | 90° | 不等間隔点火(トラック由来) | ドロドロとした低音。重く、地響きのように響く。 | ずっしりした重低音 | トラック用V10をもとにした大排気量エンジン |
| Lexus LFA | 72° | 等間隔点火 | 9,000rpmを超えるような高回転で透き通るサウンド | とても高くてきれいな音 | ヤマハが音作りを担当 |
| Ferrari F2004(F1) | 72° | 等間隔点火 | 18,000rpmを超える超高回転で甲高く鳴くような音 | 悲鳴のように高い音 | 超高回転に特化したF1エンジン |
| Porsche Carrera GT | 68° | 等間隔点火(レーシング設計) | 軽く吹け上がる乾いた高音。レーシングカーのよう。 | 軽快で鋭い音 | もともとF1用に開発されたV10 |
V10エンジンは、72°のバンク角が音質的には良いと言われますが、M6のS85エンジンは90°のバンク角を採用しています。90°の方が重心が低くできるといったメリットがあるからだそうです。
また、クランクシャフトの構造が、共有クランクピンとなっていることで、点火のタイミングが90°/54°という不均等な間隔になっています。
完全な等間隔ではありませんが、そのわずかなクセを吸気と排気の設計でうまく整えていて、結果としてレーシーで気持ちいい吹け上がりを実現しているそうですよ!
かわいい顔のモンスター | 外観レビュー
M6を初めて見たときの印象は、かわいい顔だなと思いました。全然キリッとしてなくて、ちょっと眠そう?

しかし、その見た目に反して、走り出すとまるで別人になります。V10エンジンのサウンドと加速は、まさにモンスターです。
かわいい顔をしているのに、エンジンをかけた瞬間に世界が変わる。そんなギャップがたまりません。
そして、思ったより小さいと感じました。最近の車ってどんどん大きくなっていますよね。私は運転があまり得意ではないので、これくらいのコンパクトな大きさの車が嬉しいです。
BMW M6 E63の走りと乗り心地レビュー | 5.0L V10が生み出す刺激と魅力
最高出力は507馬力。数字だけでもすごいですが、実際にエンジンをかけた瞬間、その本気度が伝わってきます。「ドォンッ!」という爆音とともにエンジンが目を覚まします。
初めて聞いたときはびっくりして、思わず笑ってしまいました。住宅街ではかなり気を使う音量ですが、この目を覚ます瞬間の迫力がM6らしくていいと思います。

走り出すと、アクセルを軽く踏むだけでスーッと回転が上がり、踏み込むと「ギャーーーーン!」と叫ぶように吹け上がります。
音の変化とともにパワーが湧き出てくる感覚は、やっぱり自然吸気ならでは!回転が上がるほどテンションも上がっていくような、そんな楽しさがあります。
トランスミッションは7速SMG。最近のDCTのようなスムーズさは全くありません。慣れるまでは、体がギクシャクしてしまいます。私はAT限定免許なのでMTは運転できませんが、手元のパドルで自分のタイミングでシフトできて、MTっぽい感覚を楽しめます。夫は「MTだったら、もっと面白いんだろうな」とよく言っていますが、このクセのあるSMGもなかなか楽しいです。
乗り心地は想像していたより上品な感じで、段差を越えてもガツンと来ず、ボディ全体で上手く受け止めてくれる感じがしますね。それでいて、しっかり路面の感触は伝わってくるので、「スポーツカーらしい緊張感」と「GTカーらしい快適さ」がちょうどいいバランスで、街乗りでも長距離でも楽しめます。
ちなみに、カタログ上での燃費は、約6〜7 km/Lとされていますが、実際に乗ってみると4〜5 km/Lくらいです。頑張ったら6km/L出るかなというレベルです。燃費を気にしてたら乗れない車ですね…。
耳で味わうV10の世界
うちのM6には、社外マフラーがついています。メーカー名や型番はわかりません。アイドリングの時点で低く厚みのある音がして、踏み込むと一気に音が広がり、まるで楽器のように響きます。
今回の動画では、「バルブON」と「バルブOFF」の音を聴き比べできるようにしています。バルブONのときは排気が一気に抜けて「ドォン!」と迫力あるサウンドに。バルブOFFでは少し抑えめです。音量だけでなく、音の質そのものが変わるのが面白いです。
走り去るM6を外から録音したシーンも入れました。離れていくにつれて音が反響して、最後は静かに消えていく。その余韻もいいですよね。
おわりに
いかがでしたか?
M6に限ったことではありませんが、この時代のガツガツした車っておもしろいですよね。
エンジンをかけたときの迫力、回転が上がるときの高揚感、そして走り終えたあとに残る余韻。なかなか味わえない特別な楽しさです。
また、おもしろい車に乗ることができたら紹介しますね!
それでは、最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
投稿者プロフィール
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ずっと運転練習中🔰
かっこよくポルシェを運転できるようになるのが目標です😊
詳しい自己紹介はこちら。
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